FXには多彩な注文方法があります。
ここでは、基本的なものから応用的なものまで、FXで使う主な注文方法を紹介します。
基本的な注文方法
成行注文
成行注文とは、現時点の実勢レートですぐに売買を行う注文方法。
価格を指定しないので確実に注文が約定します。
但し、価格を決めないために、約定後にしかレートが判明しないのがデメリット。
例えば、発注から約定までのわずかな時間にレートが急変して、思いがけないレートで約定する可能性があることにも注意が必要です。
指値注文
指値注文は、現在のレートよりも有利な値段であらかじめ注文を出しておく方法。
買う時は「現在値より安い価格」、売る時は「現在値より高い価格」を設定します。
自分自身で売買したいレートを決めて取引できるのはメリットですが、指定したレートにならないと取引は実行されないので、すぐに約定したい場合には向きません。
逆指値注文
逆指値注文とは、その文字の通り、指値注文とは逆に、現在より不利なレートを指定する注文方法。
高く買う・安く売る、というように、わざわざ不利な条件で注文する訳ですが、その使い道としては「損切り注文」にあります。
ポジションを持つと、損失を確定させる注文を出すのが難しい場面も多々あり、多くの投資家は先延ばしにすることで損失を拡大させてしまいます。
そこで、これ以上損をしたくないというレートに逆指値注文を入れておいて、自動的に損切りを行うようにしておく訳です。
応用的な注文方法
IFD注文(イフダン注文)
「IFD」は「If Done(もし約定したら)」の略で、新規注文と、その注文が約定した時にだけ有効になる決済注文を同時に出す注文方法です。
具体的には、ポジションを持つための新規の指値注文と、利益確定の指値注文もしくは損切りのための逆指値注文を同時に出すことで、1度の注文だけで約定から決済までが可能になります。
例えば、現在のレートが100円とすると、95円で買い指値を入れて、それが約定すれば97円で利食いの指値を入れる。または、95円で買い指値を入れて、90円で損切りの逆指値を入れる、というような使い方ができます。
OCO注文(オーシーオー注文)
「OCO」は「One Cancels the Other(どちらか約定したらもう一方をキャンセルする)」の略で、指値注文・逆指値注文を同時に出し、どちらかが約定したら、もう一方の注文を自動的にキャンセルする注文方法です。
新規注文と決済注文のどちらにも利用することができます。
例えば、100円で買いポジションを持っていたとして、105円になったら利益確定、95円になったら損切りしたいという場合にOCO注文を使い、105円の指値と95円の逆指値を入れる。というような使い方ができます。
IFO注文(アイエフオー注文)
IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組合せた注文方法で、新規注文と指値/逆指値の決済注文を同時に行うことができます。
IFD注文と同様に、新規注文が約定すると、指値と逆指値の決済注文が有効になります。新規注文が約定しなければ、決済注文は有効になりません。
一度注文を出してしまえば、新規注文から決済注文(損切り・利益確定どちらも)までの一連の流れを全て自動化することができる、便利な注文方法です。
トレール注文
トレール注文は、決済注文時に使う注文方法です。
逆指値注文の値幅を設定することができ、その値幅を保ったまま、相場の動きに合わせて逆指値のレートが有利な方向に自動修正します。
例えば、1ドル98円のポジションを持っていて、トレール注文による決済注文の値幅を1円に設定した場合。この時点での逆指値注文は1円離れた97円に設定されます。
その後、米ドルが上昇すると、上昇に合わせて逆指値も自動的に切り上がります。108円まで上昇すれば、1円の幅を保ったまま107円まで上昇します。
その後、相場が反転して米ドルが下降しても逆指値は変更されないので、107円になれば決済されます。
高度な注文方法ですが、上手に活用することで、自動売買的なトレードも可能になります。
トラリピ(トラップ・リピート・イフダン)
自動発注の手法ですが、マネースクエアが特許を持っている「トラリピ」というものがあります。
トラリピは、トラップ・リピート・イフダンの略で、次の3段階で構成された注文方法です。
- イフダン注文(IFD)・・・新規注文と決済注文をセットで発注
- リピートイフダン注文(RIFD)・・・イフダン注文を繰り返し発注
- トラップリピートイフダン注文・・・リピートイフダン注文を等間隔に複数仕掛ける
特にレンジ相場で効果を発揮するもので、指定した範囲内に複数のイフダン注文を仕掛け、それを自動的に繰り返すことができます。