MT4で複数EAを同時稼働させる方法と注意点

複数EAを同時稼働させるMT4構成

複数のEAを動かしたい場合、1つのMT4口座で同時稼働させることができます。

資金効率も良いし、リスク分散にもなるので、MT4 FX自動売買にオススメの構成です。

但し、幾つかの注意点があり、EAの動作がおかしくなる原因となるため、正しい構成のもとで運用する必要があります。

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MT4で複数EAを同時稼働させる際の注意点

MT4で複数EAを同時稼働させる際には、次の点に注意して設定する必要があります。

マジックナンバーは重ならないようにする

マジックナンバーとは、MT4の注文がどのEA・どのロジックから実行されたかを識別するための番号。

各EAはプログラムの中で設定された固有のマジックナンバーを注文に付加して処理します。そのため、他のEAと同じマジックナンバーが振られると、EAが誤った処理をしてしまいます

一般的なEAでは、付加するマジックナンバーをパラメータで変更することができるので、他EAと重複するようであれば設定しておきましょう。

ちなみに、MT4のトレード分析に「myfxbook」を利用する場合、EA毎に個別にフィルタリングするのにもマジックナンバーを利用します。

MT4は同時に1つの処理しかできない

MT4は同時に1つの処理しかできません。

例えば、EAから同時に買いと売りの注文が出た場合、順番に処理されるため、意図したシグナルと違うトレードになってしまう可能性があります。

異なるEAから同時にシグナルが発生する可能性は小さいですが、ありえない話ではありません。また、一つのEAで複数ロジックを搭載しているものも、場合によっては影響を受けるので要注意。

過去にあった事例として、2種類のエントリーロジックを搭載した「Forex White Bear V3」というEAで、実際に私も損失を被りました。

VPSの負荷状況に注意

MT4で24時間 自動売買を運用している場合は、VPSを利用していることがほとんどだと思います。

VPS上で起動しているMT4の数、その上で動かしているEAの数と種類に応じて、特にメモリを消費し動作が重たくなってきます

負荷が掛かり過ぎると自動売買のトレードにも影響を及ぼしてしまうため、MT4・EAの数を減らす、MT4の設定を軽くする、VPSのスペックを上げるなどして、負荷状況には注意を払いましょう。

MT4構成パターン

上記注意点を踏まえた上で、1つのMT4口座で複数EAを同時稼働させるMT4構成は、次の2パターンがあります。

1つのMT4に複数EAをセット

1つのMT4に複数EAをセットする構成

最もシンプルな構成です。

1つのMT4口座に対して、MT4を1つインストール。MT4上で、EAの数だけチャートウィンドウを立ち上げ、各チャートにEAをセットします。

マジックナンバーが重ならないように設定しておけば、同時稼働は可能となります。

注意点としては、MT4は同時に1つの処理しかできないこと。

トレード回数の多いスキャルピングタイプのEAなどであれば、要注意です。

EA毎にMT4を分ける

EA毎にMT4を分ける構成

オススメの構成です。私もこの形でMT4を運用しています。

EAの数だけMT4をインストールし、1つのMT4にEAを1つずつセットして運用します。(それぞれのMT4からログインする口座は同じ。)

1つのMT4上で動くEAは1つだけなので、複数の注文が同時に発生する心配もありません。

デメリットとしては、起動するMT4の数が増える分、VPS(パソコン)に掛かる負荷が増える点

MT4の設定を軽くする、VPSのスペックに少し余裕を持たせることで解消できます。

ちなみに私は、MT4・EAを3つ同時稼働させており、利用しているのは「お名前.com デスクトップクラウド for MT4」のメモリ2Gプランです。(当サイトのMT4運用構成