テクニカル分析の指標には、「トレンド系」と「オシレーター系」という2つの系統があります。
ここでは、代表的なテクニカル指標を紹介します。
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トレンド系指標
トレンド系指標は、相場のトレンドを知り、相場の方向性を見るのに役立つ指標。
移動平均線(Moving Average)
移動平均線は、過去一定期間における価格の平均値を表したもの。
例えば、21日移動平均線であれば、現在から過去21日間の終値の平均値となります。(土日を除いた営業日ベースで約1ヶ月となるので、過去1ヶ月間の終値の平均値ともとれる)
この移動平均線の傾きを見れば、相場のトレンドが見えてきます。
移動平均線が上向きでかつローソク足チャートが移動平均線より上に推移している時は「上昇トレンド」、逆に、移動平均線が下向きでかつローソク足チャートが移動平均線より下に推移している時は「下降トレンド」のような見方をします。
一目均衡表
一目均衡表は、ローソク足と5本線により時間論から波動論まで網羅する極めて奥の深い指標。
転換線、基準線、先行スパンA、先行スパンB、遅行スパンの5本の線が用いられ、先行スパンAとBから形成される部分を雲と呼びます。
転換線と基準線のクロスと位置で売買サイン、雲の厚い部分がサポートラインというような見方をします。
ちなみに、兜町担当の新聞記者が考案された、純国産のテクニカル指標です。
オシレーター系指標
オシレーター系指標は、相場の転換点を見るため、「買われすぎ」「売られすぎ」をチェックするのに使う指標。
RSI(Relative Strength Index)
RSIは、相場の過熱感をつかむことができる指標。
一定期間における変動幅から相場の「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」をパーセンテージで表します。
一般的に、70%〜80%以上ならば買われ過ぎているので「売り」、20〜30%以下ならば売られ過ぎているので「買い」と判断します。
尚、RSIが有効とされるのは、一定のレンジの中を上がったり下がったりしているボックス相場です。
強いトレンドがある時は、RSIは上下どちらかに張り付いたまま機能せず、ダマシが多くなるので、他の指標と合わせて使うなど注意が必要です。
MACD(Moving Average Convergence Divergence)
MACDは、移動平均・収束・拡散手法と言われるもので、数学的に加工した移動平均線の動きに注目して売買ポイントを探る指標。
この指標はMACDとシグナルという2本の線で構成されています。
MACDがシグナルを下から上に抜いた時、または、MACDが0ラインを上に抜けた時が「買いシグナル」。逆に、MACDがシグナルを上から下に抜いた時、または、MACDが0ラインを下に抜けた時が「売りシグナル」。というような見方をします。
ボリンジャーバンド(Bollinger Band)
ボリンジャーバンドは、移動平均線を元に、統計的なアプローチにより相場の反転や保ち合い放れを判断する指標。
移動平均線の1本上の線はプラス1σ(シグマ)、下の線はマイナス1σと呼ばれ、統計上、相場が±1σの線の間に収まる確率は68.3%とされています。
次の上の線と下の線は、それぞれプラス2σ、マイナス2σと呼ばれ、±2σの線の間に収まる確率は95.5%です。
ボリンジャーバンドではこの「±2σ」に注目し、プラス2σを超えたら統計的に買われ過ぎ、マイナス2σを超えたら売られ過ぎという見方をします。
ストキャスティクス(Stochastics)
ストキャスティクスは、相場の過熱感を数値化し、それをもとに売買シグナルを探る指標。
過去における高値、安値に対して、当日終値がどの位置にあるかを数値化し、%K(短期線)、%D(中期線)の2本の線を使って、逆張り的に売買タイミングを探ります。
20%以下で%Kが%Dを下から上抜いた時に買い、80%以上で%Kが%Dを上から下抜いた時に売り、というような見方をします。