MT4 EA「Scal_USDJPY」〜EAの設定と運用成績〜

MT4 EA「Scal_USDJPY」

本番口座で運用中のMT4 EA「Scal_USDJPY」について、EAの特徴を紹介します。

現在の運用成績・MT4運用環境・EAのパラメータ設定も公開しています。

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「Scal_USDJPY」の運用成績とEA設定

EAの概要

  • EA名称:Scal_USDJPY
  • システムの戦略:スキャルピング
  • 対応通貨ペア: USD/JPY(5分足)

本番口座での運用成績

MEMO
2018年1月15日〜2019年3月29日まで稼働。現在停止中。

運用していた期間の、ライブ口座での運用成績です。

本番口座の運用成績
FX業者 月間利益率 通算利益率 通算利益 運用期間
FXTF(1000通貨コース) -13.74% -24,720円 2019年2月4日
〜2019年3月29日
OANDA JAPAN(東京サーバ) -1.39% -2,785円 2019年2月4日
〜2019年3月29日
OANDA JAPAN(プロコース) +6.08% +12,169円 2018年1月15日
〜2018年12月21日

米国雇用統計のある毎月第1金曜日は運用停止しています。それ以外は基本放置の運用。

MT4 EA「Scal_USDJPY」の運用成績

MEMO

MT4のトレード情報は全て「Myfxbook」でリアルタイムに公開しています。

「カスタム分析」から、見たいEAを選択して下さい。(参考記事

現在の運用環境とパラメータ設定

運用環境

複数のFX業者で並行稼働しています。

EA運用環境
FX業者 運用資金
(レバレッジ25倍)
MT4運用環境(VPS) EAのバージョン
FXTF
(1000通貨コース)
20万円 お名前.com デスクトップクラウド for MT4 V17
OANDA JAPAN
(東京サーバ)
20万円

パラメータ

並行稼働の際、パラメータ設定は同じにしています。

EAパラメータ
パラメータ 標準 設定値 説明
boost1 0 6 エントリー頻度を調整
boost2 0 -4
boost3 0 -2
Souki_Close true true 保有ポジションと逆方向へのエントリーサインで早期クローズ&反対方向へエントリー
Ryoudate_mode false false 両建てする/しない
Total_MaxPosition 2 2 最大ポジション数
Tsuigeki_interval 5 5 追加エントリーの待ち時間(分)
TP 10 10 利確値
SL 200 200 損切り値
Lot 0.2 0.1 取引ロット数
MM false false 複利モード
Max_lot_size 1.0 1.0 ロットサイズ上限値(安全対策)
Trailing_Stop true true トレーリング機能
Trailing_pips 5.0 5.0 トレーリングを発動するpips数
Trailing_pips_plus 2.0 1.0 初期トレーリングにおける確保PIPS
Trailing_interval 5 5 トレーリングを発動する際の間隔(秒)
SpreadLimit 2.0 2.0 設定Pips以上のスプレッドが開いたら発注見送り
Slippage 5 5 設定Pips以上のズレで発注見送り
Countdown_mode false false カウントダウン方式
Summer_GMT_Offset 3 3 夏時間のGMT
US_Shitsugyou_filter true true 米国失業率発表に対するエントリーフィルター
Friday_Close false false 毎週金曜日の26時にポジションクローズ
Day_of_week -1 -1 タイムフィルターなし
Youbi_Seigen 0 0 曜日制限なし
その他パラメータ 標準値

「Scal_USDJPY」の特徴

システムの説明(公式ページより抜粋)

様々なTP値・LC値で高PFとなる高勝率スキャルピングEA。

  • テイクプロフィット(TP):10pips
  • ロスカット(LC):200pips
  • ナンピン・マーチンゲール:なし
  • 最大ポジション数:2

「SL=50~200」の範囲では、いずれも「PF1.8~7.0」「最大DD2%~5%」の範囲に収まる(2005年から2017年8月のバックテスト)とのことで、根幹のロジックが非常に優れているのだと思います。

フォワードテストを見ている限りでは、デフォルト設定のままでも充分なパフォーマンスが出ていますが、どちらかと言うと、パラメータを微調整して楽しむタイプのEAではないかと思います。

開発者テストによるアグレッシブな設定

このEAには、「boost1〜3」というパラメータがあります。

詳細はブラックボックスですが、エントリー条件式の係数に相当するものである、とのこと。

これらを調整することで、エントリー頻度が変化し収益性が変わるようで、開発者さんのブログで「boost1〜3」の最適化結果が掲載されています。

開発者さんのブログ

その結果によると、次のように設定することで取引頻度が増え、より収益性が高まるようです。

パラメータ 標準 設定値
boost1 0 6
boost2 0 -4
boost3 0 -2

バックテスト・最適化

先の開発者さんのテスト結果をもとに、うちでもEAの最適設定を見出すべく、次の環境でバックテスト・最適化を実施しました。

  • FX口座:OANDA JAPAN プロコース
  • ヒストリカルデータ:FXTF
  • スプレッド:現在値(8)
  • 初期資金:2,000USD(単利)
  • EAバージョン:v13
  • テスト期間:2016年11月30日〜2017年11月30日

本当はboost1〜3の各パターンも合わせてテストしたかったのですが、うちの非力PCでは実行時間が膨大になるため、boost1-3はデフォルト設定/開発者さんによるアグレッシブ設定の2パターンについて、それぞれ次のように実施しました。

1.boost1-3デフォルト設定でのバックテスト

まずは、boost1-3デフォルト設定でのバックテスト確認。

EAパラメータ設定(他は全て標準値)
パラメータ 標準 設定値
boost1 0 0
boost2 0 0
boost3 0 0
TP 10 10
SL 200 200

バックテストの結果は次のようになりました。

「Scal_USDJPY」デフォルト設定でのバックテスト結果

公開されているバックテストとは若干異なりますが、1年で純益1079.88(+50%)とこれでも充分な内容。

  • プロフィットファクター:1.82
  • 純益:1079.88
  • 総取引数:380
  • 勝率:97.37%
  • 最大ドローダウン:386.80(16.33%)

2.boost1-3 アグレッシブ設定でのバックテスト

次に、boost1-3アグレッシブ設定でのバックテスト確認。

EAパラメータ設定(他は全て標準値)
パラメータ 標準 設定値
boost1 0 6
boost2 0 -4
boost3 0 -2
TP 10 10
SL 200 200

バックテストの結果は次のようになりました。

「Scal_USDJPY」boost設定でのバックテスト結果

確かにデフォルト設定より取引数が増え、勝率は若干落ちるものの、1年で純益1777.39(+85%)と収益性が大幅に増えました。

  • プロフィットファクター:2.03
  • 純益:1777.39
  • 総取引数:553
  • 勝率:96.20%
  • 最大ドローダウン:469.73(16.89%)

これにより、開発者さんのboost1-3アグレッシブ設定をうちでも採用することにしました。

3.さらなる最適化

boost1-3アグレッシブ設定をベースに、さらに「ストップロス値」「トレーリングストップ」「週末ポジション強制決済」の設定を最適化します。

行ったテストパターンは次の通り。

EAパラメータ設定(他は全て標準値)
パラメータ スタート ステップ ストップ
boost1 6 6
boost2 -4 -4
boost3 -2 -2
SL 50 50 200
Trailing_pips_plus 0.0 1.0 2.0
Friday_Close false true

最適化の結果は次のようになりました。

「Scal_USDJPY」boost設定での最適化結果

最適化前後を比較すると、次のようにパフォーマンスが改善されていることがわかります。

  • プロフィットファクター:2.03 → 2.55
  • 純益:1777.39 → 1913.62
  • 総取引数:553 → 572
  • 最大ドローダウン:469.73(16.89%) → 299.52(12.32%)

収益性の微増に加え、最大ドローダウンが大きく抑えられているのが素晴らしいですね。

という訳で、うちではこの設定でいくことにしました。

EAパラメータ設定(他は全て標準値)
パラメータ 標準 設定値
boost1 0 6
boost2 0 -4
boost3 0 -2
TP 10 10
SL 200 200
Trailing_pips_plus 2.0 1.0
Friday_Close false false

もっと時間を掛けてバックテスト(最適化)を行えば、よりよい収益曲線が得られると思いますので、ぜひお試しあれ。

エントリー・クローズの様子

2018年1月15日〜2月14日のデータです。

Scal_USDJPYのエントリー・クローズの様子

パラメータ設定でトレード頻度を高めていますが、それでもトレード回数は控えめ。

普段はじっと静観して、ここぞという時にスパッとエントリー&利確している印象です。

この期間はあまり恩恵を受けていませんが、トレーリング機能により大きく利を伸ばすこともあると思います。

⇛ このEAの過去記事