証拠金と強制ロスカットについて

運用資金

FXは証拠金を担保にして、外貨または円を借りて取引をします。

FXを始めると、有効証拠金・必要証拠金・証拠金維持率など、証拠金という言葉がたくさん出てきます。

ここでは、それらの意味を紹介します。

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◯◯証拠金

証拠金と付く用語がたくさん使われますが、それらの意味を理解していないと、予想外に保有するポジションが強制的に決済されたり、無謀に高いレバレッジで取引することになりかねません。

ここでは、それぞれの「◯◯証拠金」について解説します。

有効証拠金

有効証拠金とは、取引口座に入金されている残高のことです。

例えば、FXを始めて取引口座に10万円を入金すれば、有効証拠金は10万円です。

その後、証拠金を使ってポジションを建て、為替変動で含み益/含み損が出ると、その分が有効証拠金から加算/減算されます。

最終的にポジションを決済し、その為替差益が1万円だったとすると、有効証拠金は10万円+1万円 = 11万円となります。

必要証拠金

必要証拠金とは、新たにポジションを建てるのに最低限必要な金額のことです。

例えば、レバレッジ25倍で、1ドル=100円の米ドル1万通貨を買うとします。

100円✕1万通貨 / 25 = 4万円

この場合は必要証拠金が4万円となり、有効証拠金の額がそれ以下であれば、新たにポジションを建てることはできません。

証拠金率

証拠金率とは、投資金額に対する有効証拠金の割合のことです。

必要証拠金率が4%であれば、4%の証拠金を用意する必要があるということです。

例えば、米ドル1万通貨を取引する場合、その4%にあたる400ドル(1ドル=100円とすると4万円)が必要証拠金となります。

また、証拠金率が分かれば、レバレッジが分かります。

100% / 証拠金率 = レバレッジ

証拠金率4%ということは、100% / 4% = レバレッジ25倍で取引をしているということになります。

証拠金維持率

証拠金維持率とは、必要証拠金に対する有効証拠金の残高の割合のことです。

例えば、1ドル=100円のときに、必要証拠金4万円の取引を、有効証拠金4万円で1万通貨取引したとします。その後、1ドル=98円になると、1万ドルは98万円の価値となり、2万円の含み損が発生します。

この時点で、有効証拠金は4万円 – 2万円 = 2万円となります。必要証拠金4万円に対して有効証拠金は2万円なので、2万円 / 4万円 = 50%が証拠金維持率となります。

この証拠金維持率は、ポジション保有時に最も注意しておくべき数字となります。証拠金維持率が一定水準を下回ると、トレーダーの意志とは関係なく、強制的に決済を行う「強制ロスカット」が発動されるからです。

強制ロスカット

損失が発生して証拠金維持率が一定水準を下回ると、FX業者によって強制的に決済が行われます。これを「強制ロスカット」と言います。

ロスカットは本来、投資額以上の損失を回避すべく「投資家保護」の目的で設けられた制度ですが、不本意なタイミングでの強制決済はできる限り避けたいところです。

ロスカットを避けるためには、証拠金に対して資金を厚くし実質レバレッジを低く抑える必要があります。

また、強制ロスカットが発動する基準はFX業者によって異なり、証拠金維持率50%を下回ると発動するのが一般的な基準になっています。

尚、強制ロスカットが執行する前に「マージンコール」と呼ばれる注意喚起が行われるので、強制ロスカットの前に自ら対応することが大切です。